2008年12月09日

Re: OK,何の問題もない。

大平智弘先生(武蔵野美術大学教授)がご逝去された旨の連絡を受けた。突然の師の悲報に言葉をなくす。

大平先生に出会わなかったら、僕はいまこうして大学教員をやっていなかった。
こんなに酒をのむこともなかった。宴席に出かけていくことの意味と価値もきっとわかっていなかっただろう。

研究と教育について、「デザイン」という考え方について、「生き方」について本当にたくさんのことを教えていただいた。
いや、正確に言えば[語って]いただいた。僕はそのお話しを聞いているその時には、その意味や価値や本質をわかっていなかったように思う。

でも、それから自分が動き、自分で考えはじめたその時に、大平先生から[教えていただいた]ことに気づいた。

恩返し。

それも、大平先生から教えられたことである。
恩返しとは、僕が先生から教えていただいた多くのことを、僕の後世に伝えられてはじめて成し遂げられる。
僕はこれから、先生にうまく恩返しできるだろうか。いや、しなければならない。


OK,何の問題もない。

僕が[勝手に]大平先生から借用していることばである。ご本人に承諾を得ていない。でも、大平先生にお伺いをたてるのは無意味である。きっと言うことは決まっているから。

いや、聞くことによって、自分はなにもわかっていないことを、逆に露呈させてしまう。

だって、「自分で考え、自分で判断すること。」
それが、「OK,何の問題もない。」の意味であるから。

でも、いつか、そうまだ先に、僕がそのことばを背負い何かを成し遂げた成果を持って、大平先生にお話しするつもりだった。
毎日自分の小ささに打ちのめされている今はまだ、報告できないと思っていた。

そしてこう言ってもらうつもりだった。

「OK,何の問題もない。」

聞けないまま、先生は逝ってしまった。


これまで本当にどうもありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。
ご冥福を心からお祈り申し上げます。

僕は、大平先生に教えていただいたすべてのことに応えるために、[勝手に]このことばを背負い続けることにさせていただきます。

OK,何の問題もない。




posted by kazar at 19:37| Comment(1) | TrackBack(0) | 日々
この記事へのコメント
どうかお気を落とさないで下さい。

学生の前では普段通りに振る舞うのでしょうし、ボクが何かを言ったところで何も変わりませんが…

ボクも、先生の恩返しに貢献したいと思います。

大平先生には是非一度お会いしたかったので本当に残念です。

故人のご冥福を謹んでお祈りいたします。
Posted by マツオ at 2008年12月10日 00:28
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